コレに耐えられなくなった俺は上司に相談したところ、精神科の先生を紹介されることになった。今では、2週間に一回のカウンセリングと薬事療法を続けている。
薬は、病院のすぐ近くにある薬局でいつも購入している。薬局では、薬の使用上の注意や効果について書かれている紙ももらうのだが、ある時から効能がうつ病のものから、統合失調症の薬へとシフトしていった。カウンセリングの結果で、飲む薬が変わっていくのだけれども、最近は被害妄想がひどいのだろうか。いや、しかし悪口や俺に対する非難は確かに聞こえていたのであった。厚生労働省のホームページには
幻覚や妄想の多くは、患者さんにとっては真実のことと体験され、不安で恐ろしい気分を引き起こします。無視したり、ほうっておくことができず、いやおうなくその世界に引きずりこまれるように感じます。場合によっては、幻聴や妄想に従った行動に走ってしまう場合もあります。「本当の声ではない」「正しい考えではない」と説明されても、なかなか信じられません。
そうやって辻褄を合わせて生きていかなければならない。あの出来事は真実ではなく、俺の幻覚、幻聴、妄想だったのだ。そう考えて生きていこう。そうでもなければやっていけないのかもしれない。すべては、俺の幻覚、幻聴、妄想だったのだ。きっと。
そうやって自分の都合のいいような記憶を切り取って生きていくしかないのだろうか。よくわからないけれども。もう会社にいくのが、疲れてしまった。出世とか、人間関係とか、いろいろ疲れてしまった。どうでもいいのだ、俺にとっては。