しかし、俺が診断された統合失調症という病は、幻覚、幻聴、妄想が真実のこととして認識してしまい、不安で恐ろしい気分になってしまうものらしい。統合失調症になっていたとしたら、あの恐ろしい出来事は、全て幻だったことになる。幻を見ていたのだろうか、俺は。
今では、悪口は聞こえてこない。周りからの悪口とか悪意のある視線や雰囲気を感じることは、なくなった。なんだったのだろうか、アレは。
アレとは、当時、聞こえてきた俺に対する悪口などである。四六時中聞こえてきたものだった。もはや自分の席にいること自体ができなくなった。統合失調症のせいで聞こえていたとしたら、悩みなどなかったことになる。しかし、俺の脳が悪口を言われていたことを真実のこととして認識している。忘れがたい体験として残っている。この悪口を言われた体験の後遺症に今までも悩まされている。悪口を言っていた人たちとは、まともに喋ることもできない。
もう、どうでもいいのだ。人間関係とか、出世とか。俺にとっては。疲れるよ、もう。なんで、悪口を言われていた職場に行かなくちゃいけないんだよ。(統合失調症のせいで、幻覚、幻聴、妄想のせいかもしれないけれど)悪口を言われていたとしても、言われなかったとしても、あの人たちとは、話すことは、もうないだろう。疲れたのだ、人間関係に。